書評 マスター・オブ・スケール 世界を制したリーダーが初めて明かす 事業拡大の最強ルール
リードホフマンの著者。
3行サマリ
- タイトルには事業スケールのためのルール、とあるが、フェーズや文脈の異なるスタートアップがいくつか網羅的に紹介されているわけであり、何かゴールデンルールみたいなものが示されるわけではない。ので、教科書的な何かを期待している場合は裏切られるだろう。あくまでケーススタディ集。
- とはいえ、重要な示唆はいくつかある。カルチャー形成の前に人を入れ過ぎると不可逆な不具合が起きたりいきなり上級職を入れるムーブがあるのは危険なシグナルであったりすることはさまざまなケーススタディで帰納法的に示唆されていることであり、より身近なスタートアップでリアリティのある事例が紹介されている。
- またスケールするためにあえてサポートを始め火事を放置したり、創業メンバーが顧客サポートをすることで重要な示唆を得たり、そしてその経験はその時にしかできないなど、古典的なスタートアップの著書にある事例が最近も、ままよくあるというサポート事例が具体的に紹介されていて心強いだろう。ただ、先にも述べたがゴールデンルールというわけではなく、様々なフェーズにおけるケースであるので、実際にあなたのスタートアップで今なにがキーなのか?の答えは自分自身の中に解を持たなければならないことに変わりはないだろう。