書評 インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法 (ウィザードブックシリーズ Vol.263)
バンガード創業者のボーグル氏による著書。基本的にはランダンウォーカーと同じ論調だが、手数料=複利の暴君に着目している点がポイント。
3行サマリ。
- 複利による利回りを追求する際に注意すべき点は信託や運用にかかる手数料率と税金であり、これらのコストも複利で負担(著者曰く暴君)となる。
- あらゆるアクティブ運用の投資信託よりもインデックス投信の方が中期以降で見るとパフォーマンスは優れる。優秀な表面利回りを高額な手数料が掠め取ってしまうからだ。オルタナティブ投資で初期にパフォームしていても人気を集めると資金が集まりすぎて効率的なサイズでなくなりパフォーマンスがでなくなってしまう。(オルタナティブやアーブが美味しい池のサイズは限られているとも言える)
- ポートフォリオ理論について新規性はあまりなかったが、余命期間の年金受取総額をTボンド利回りで割り戻すと年金のポートフォリオ価値(例えば20万ドルとか)が算出でき、過剰に保守的な債権株式比率になっていないか留意が必要。