クレカ還元ウォーズ 2024
ここ数年で、クレカの表面還元率が 2 -> 1.5 -> 1.25 -> 1.0 % とクレカ種別を問わず軒並み改悪されてきた。年間の使用レンジごとにかつての高還元率系や、還元傾向の高いプラチナカード、新規獲得に力をいれるカードのグラフ化をしてみた。
グラフ
表
合成ポジションの検討
- 600万 の合成 = 4M SMBC gold (6) + 2M 1%還元カードやリクルート(2/2.4) = 8/8.4 ※0.8/1.2万くらい得
- 800万の合成 = 4M SMBC gold (6) + 4M apolloやリクルート(4.8) = 10.8 ※1万くらい得
- 1100万の合成 = 4M SMBC gold (6) + 7M apolloやリクルート(8.4) = 14.4 ※ jaccs platinum とほぼ同じで旨味ほぼない
考察
- 100 - 400 万のレンジで smbc gold NL の還元率がボーナスポイントで換算1.5%となり利潤が最大化する。ただ新規獲得狙いの永続性の無さや 550 万以上の利用を懸念するならとりあえず今持っているカードから 100 - 400 万の商流を流し、ボーナス付与ルールの改悪に注視しながら撤退条件を定めて合成ポジションを作るのもよいだろう。なお、カード利用が 1000 万程度あるならば手間になるのではじめから高還元率プラチナカードに寄せて使うほうがタイパはよいだろう。
- 450 - 600 万のレンジだと、現在 1% 還元率カードを使っていれば、リクルートカードと、apollostation the platinum が利潤差分が1万程度に大きくなる。この2つは表面還元率が 1.2% と同様だがコンシェルジュ・2名ディーナー半額などフルサービスのプラチナカード特典を考えると、年間カード利用料が 300 万を確実に超える使い方をするユースケースならば、apollostation the platinum のほうがプラチナ特典分、得な人が多くなるのではないか..?
- 700 万を超えだすと、還元率が 1.5% (前年度 300万利用必要) と高い jaccs platinum が他を制し始める。ただし加入初年度は 1% 還元率のため、仮に 800 万使うとしても apollostation the platinum に初年から入った場合との差額( 0.2 vs 1.8 万) を回収するには ~9 年ほどかかる。
- AMEX の宿泊権利 (フリー・ステイ・ギフト) をニューオータニ 2.6 ハイアット金沢 3 ハイアット京都 8.6 万から概ね 3 万を獲得ボーナス金額換算見積もりとした。ハイアット京都が権利リストに乗りつづけていて宿泊しうるならば 1100 万の区間まで +5.6 万となり、ダークホース的に大幅に得する。
その他
異物注入の歴史を繰り返しうる豊胸術の変遷
歴史はくりかえすというが美容外科における体内異物の歴史を振り返ると示唆に富むものがある。なお現在 FDA に認可されているプロテーゼコヒーシブタイプという、シリコンバッグに流動性の低いジェルが入ってお破れても内容物が流出しずらいものである。以下古い→新しい順にトレンドをまとめた。なお、注入系はお手軽に見えるが、注入剤が非吸収の場合、原則手術による完全な撤去は難しく不可逆的変化をもたらすこともある点が重要な観点となる。長期異物があることによるヒトアジュバント病 ( 膠原病あるいはそれに類似した症状 )のような自己免疫疾患や腫瘍化などのデータが貯まるには 10-30 年くらいかかるかもしれない点も留意されたい。
- 注入
- シリコンバッグ・ハイドロジェルバッグ
- 1970年〜 (US/JP では -90s まで)
- 1995- ハイドロジェルバッグ (市場からの撤去処分)
- 中身はシリコンオイル、ハイドロジェル(高分子ポリマー+生理食塩水)
- ハイドロジェルは長期運用により中身の流動化が進む研究も
- リスク
- 中身が流出した場合は注入と同様のリスク
- 生理食塩水バッグ
- 2000年 FDA 〜
- リスクは少ないが破れやすい、バッグ感がでるなど
- コヒーシブシリコンバッグ
- 最近の注入系
参考資料
サピックス教室ごとのパフォーマンス分析
SAPIXER というサイトから「2023年度校舎別実績(23.3.8.13.28)」をソースに中学・開成率をキーに作成。(なお、あくまで統計上の傾向出しに試験問題や東大入学者数のリファレンスによく用いられる開成を用いたものであり、開成に他意はない。)
■グラフ
■データ
■考察 - 対数関数モデルによる緩やかな傾向として、大規模校舎のほうが開成率に優れるパフォーマンス。大規模な方が開成対策クラスの編成数が多いからだろうが、異常値の校舎にも気をつけるべきである。(典型例: 自由が丘 vs 吉祥寺) - 自由が丘、東京が本丸。中規模校舎でも国立・横浜・巣鴨は卓越した成果。 - 塾間パフォーマンスの比較をする場合は 一定偏差値レンジ校合格数 / 在籍数の比率で比較するとわかりやすい。(
書評 関西スーパー争奪 ドキュメント 混迷の200日
割と面白かった。関西スーパーは刺身パックみたいなスーパーの型を作った老舗ではあるが、創業者亡き後、株主保合しながら上場し続けることの潜在的リスクや投資家への説明責任、究極的には合理的利益達成責任を問う事例。
3行サマリ
- 株式持ち合いでの自分の友達は実は敵の友達でもあるという状況が起こりうるケースと、その友達は彼・彼女の出資者に説明責任があり忖度できない事情も最近は出てきたよ!ということが言える。中間の友達はイエスと言ってもノーと言ってもどちらかから取引を削られる圧があり非常に辛い立場に追い込まれる。
- 短期的・表面的には関東でいうと東急とサミットが連合することでオーケー・ロピアの進出をブロックし、消費者目線ではサミットの店頭でも高価値商品のバリエーションが増えて、日々のお買い物が楽しくなるメリットがあった。(続く)
- しかし、中期的には消費者目線でもちょっとしたコストコのように大量にあるいは適量に安く買える機会を損失していたり、株主的にはTOBに応じないことによる経済的損失が生まれる。実際に機関投資家の多くは防衛的統合に反対していた。
書評 資本主義の中心で、資本主義を変える
3行サマリ
- 営利を短期的に追求しようとする文化だと売上の早期化(up front化)、成長の目的化(up or out) が起きがちになり、とくに個社固有の事象というわけでもないなという検証にもなった。
- 筆者の論点は株式保合(表面化していない暗黙的なものを含む)による株主還元意識や株主からの資本調達コスト(=適切な配当か株価成長が一定の時間軸で無ければ資金引き上げられてしまう)を意識しない漫然とした、是々非々でない忖度経営が、日本の低成長の一因の一つである、と主張している。航空機で熱帯魚を運搬する時にピラニアを入れておと適切なストレスがかかり、輸送起因の死亡が減り、生存率が高まる話。ただ、本のコンテンツにおける重複率が高く薄まっている感。ESGの具体を深堀するなり、ケーススタディなりもう少し編集して欲しいところではある。
- 凡事徹底、経済なき道徳は寝言など自分の銘と共通する部分も一定カルチャーとしてある、そういった集団がある(あった)んだなと思い、一般的には?あまりシンパシーを感じる会社のイメージではないが中の人の純粋な経済追求を考える人間性が垣間見える点は良かった。
座右の銘
最近日に何度か「経済なき道徳は寝言である。」とか言ってるのでいわゆる座右の銘をまとめておく。基本的な幹はエマーソンの自己信頼に依るところが大きい。
- 「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」二宮尊徳
- 「凡事徹底」
- 解釈は多様だが、私の場合は下記のエマーソンの大事を成すには細かい・眼の前のことをいい加減にすべきでないし、井深さんの(尊敬の念で)変態的な道を行くにも、道中は積小為大 ( 二宮尊徳 ) の地味でセクシーでない手段を用いることもあるだろうということを意図している。
- 「高い目標を持つことは大事ではあるが、それによって、目の前の仕事がおろそかになってはいけない」エマーソン
- 「日日是好日」碧巌録
- マインドフルネスにも通ずるものはある
- 「宗教は大衆の「アヘン」である。」カール・マルクス
- 下記のエマーソンの言葉や著書自己信頼との対比において
- 「人間の幸福は、決して神や仏が握っているものではない。自分自身の中にそれを左右するカギがある」エマーソン
- 「いい製品をつくったとしても、それだけではだめなんですね。物をつくるだけではだめで、その売り方も発明しなければ売れないんです。」盛田 昭夫
- 「他人がやらないことに全力を注げ。」井深大
- 「敷かれた道を進むより、道なきところに自ら道を築いて進め。」エマーソン
- 「群衆の中にあっても孤独を守る人こそ、至高の人である。」エマーソン
- 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ビスマルク
- 「情報を軽視した組織は情報に復讐される。」堀栄三
気が向いたら加筆修正しようと思う。
書評 世界屈指の資産運用会社インベスコが明かす世界株式「王道」投資術
3行サマリー
- 残念なことに売り文句で想起される、銘柄選定・割合・撤退の基準といった話は出てこず、日本やGPIFが世界から相対的にどのような状況に置かれていて、どうポジションすべきか?やそれを支える英国を元とした制度の狙いがメイントピック。なのでその辺りを期待するとプロモーションの味付けと中身の乖離に落胆する。
- 投資信託の組成や、代理店網の構築とトレーニングなど生業としての独立系投資信託会社の理解は進む。高額な販売時手数料や運用手数料が必要なのは必要な理由があるからである。割安・配当・成長というコーポレートで貫かれた目線はグレアムとバフェットの目線に通ずるものがあり、興味深い。
- またポジション組成をするチームは閑静かつ手軽にコミュニケーションが生まれやすい環境にあるが、その置かれた環境がどのような点に注意して組まれているのかも注目に値する。ビジーな環境では短期的な収益・投機や音楽が鳴り続けている間は踊り続けるインセンティブが働きがちであるが、市場が強いてくる短期的な時間軸から独立した目線を持ちやすい、ある種解脱した環境が会社の是として設計されているのは興味深い。