書評 関西スーパー争奪 ドキュメント 混迷の200日
割と面白かった。関西スーパーは刺身パックみたいなスーパーの型を作った老舗ではあるが、創業者亡き後、株主保合しながら上場し続けることの潜在的リスクや投資家への説明責任、究極的には合理的利益達成責任を問う事例。
3行サマリ
- 株式持ち合いでの自分の友達は実は敵の友達でもあるという状況が起こりうるケースと、その友達は彼・彼女の出資者に説明責任があり忖度できない事情も最近は出てきたよ!ということが言える。中間の友達はイエスと言ってもノーと言ってもどちらかから取引を削られる圧があり非常に辛い立場に追い込まれる。
- 短期的・表面的には関東でいうと東急とサミットが連合することでオーケー・ロピアの進出をブロックし、消費者目線ではサミットの店頭でも高価値商品のバリエーションが増えて、日々のお買い物が楽しくなるメリットがあった。(続く)
- しかし、中期的には消費者目線でもちょっとしたコストコのように大量にあるいは適量に安く買える機会を損失していたり、株主的にはTOBに応じないことによる経済的損失が生まれる。実際に機関投資家の多くは防衛的統合に反対していた。