人類の歴史になぞって中小SIerがどう発展していくのかをまとめてみました。人にもいえることですが、大前提として成長するには成長への強い意思と向上心が当然に必要です。
マンモス狩り、出稼ぎ時代
村の男たちがマンモス狩りにいくかあるいは出稼ぎしにいくイメージか。当然狩りとか出稼ぎで失敗すると村の人はみんな餓死する。せっかくマンモスが狩れても村人の胃袋が空になる前に村に持ち帰れなければ当然全滅。(ここはキャッシュフローの話のつもり)
売上構成
この時代の破滅パターン
- 大口取引先のキャッシュ詰まりをおこして死亡。景況等の不測の事態でマンモスがとれなくなってしまった!
- 人の定着がうまくいかず組織知を蓄積できないので、品質が一向に上がらず売上を積み上げられなくなる
- マンモス狩りのうまみで食っている既得権益者の阻害要因で次の組織体制に移行できない
農耕時代
マンモス狩りや出稼ぎで稼いで貯めた金で開拓し、村の女子供も農耕作業に参加するイメージか。
農耕時代までいけたSIerは結構がんばっているとおもいます。仕事選びの際もそこらへんはガンガン尊敬しましょう!
売上構成
- 運用保守ORサポート部隊を構築し、運用保守・サポートでの収益拡大を目指す。組織知の時代へ。分散投資、卵をひとつのカゴに入れないルールを徹底するのがポイントでしょうか。
- エンジニア派遣についても受託開発やサポートといったコア事業と付随する形式にスイッチする。またコンサルティング機能をつけるのもいいのかもしれない。
- 開発案件に付随する保守案件やサポート契約を積み上げることによって収益のボラティリティを減らしていく
- マンモス狩りを常にやらなくとも1-3で80%くらいは食べられるようにしてあげる状態
この時代の破滅パターン
- 官僚主義や年功序列、古い人たちの既得権益に阻まれ組織が不活性化して終了。保守やってれば食えるし、危ない橋渡る必要もないっしょ、という甘い誘惑に駆られてしまうその気持ち、わかります。
- 保守案件が一個の会社に偏りすぎて、そこが破たんするかあるいは逆に買収されて終了する(日本企業が海外進出する場合はこのパターンで現地企業を食っていくことも)
二次関数的な収益を生み出せる事業の開発、もしくは、より強力な営業のれんとのパートナーシップによる、競争力の圧倒的な強化。新興市場に上場できるかもしれません。ただ上場の意味をしっかり考えないと理念よりもステークホルダーの都合が優先するあくせくした会社になってしまいます。
売上構成
- 自社サービス(BtoC BtoB BtoBtoC CtoC等)や製品の開発、ライセンス販売に移行する
- OEMの実体となるサービスの提供元となることにより、単独よりも巨大な社会アウトプットをだせる(日本NCR、BMWジャパン、藤田商店等に近いですかね)
- 代理店網の拡大による販売効率の飛躍的向上 (リクナビ・マイナビ等)
この時代の破滅パターン
- 自社サービス製品開発への投資が早すぎる遅すぎる少なすぎる多すぎる等の理由で終了(ここが企業経営において最強に難しい)
- 営業のれんの提供元との関係がこじれて終了。もしくは買収されてなくなる。
- 代理店がカニバリゼーションを起こして不活性に。直販の値段の統制が利かなくなる。
- 調子にのって人を増やしすぎてキャッシュ切れて死亡。
- 直接投資必要ないのに上場したら会社のコントロールがむしろ利かなくなって拡大が阻害される。
金融革命 加速する企業規模拡大
もうここまで来るとTSE、AMEXレベルの企業になっているでしょうか。このへんについては市井の経営本なんかを参考にされてください。
売上構成
- 既存事業のインクリメンタルイノベーションによる漸次的な拡大
- ラディカルイノベーションに対する継続的な投資
- M&Aによる買収及び事業の売却によるコア事業の整理による組織力の効率化と整理
- 営業のれんの提供元をMBOしてしまう
この時代の破滅パターン