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不動産デベロッパー「エルクリエイト」倒産、相次ぐ資金調達難

不動産デベロッパー「エルクリエイト」倒産、資金調達難によるキャッシュ詰まり倒産が相次いでいるようです。
「さらに、8月7日には第三者割当増資による新株および新株予約権発行を発表したものの、払込期日の8月25日に予定していた3社から払い込みがされなかった」といっていますがこれは既存株主の価値を破壊しにいく増資であった可能性があり、このタイミングでの株主代表訴訟があればひょっとしたら資産の一部を優先して差し押さえできていた可能性もあったなぁとおもいました。この増資スキーム自体が「今回の第三者割当による新株式及び新株予約権がすべて行使された場合に発行される株式数は48,810株であり、現在の当社の発行済株式数の409.2%となり、大規模な株式の希薄化が生じる見込みであります。」(IR)とのとおり、大幅の希薄化を招く内容でした。

  • 株式時価総額が5億円を切りJASDAQ上場基準を満たせなくなったことによる資本コストの上昇
    • JASDAQ上場1年で倒産、というのも気の毒です。。。
  • 株主の方々は、キャッシュフローが悪化している会社の増資のための特別決議にたいしては単月キャッシュフロー計算書の提出を求めるなどのアクションをとっていかないと、気づいたら破たん、という可能性も否定できません。
  • また今回のケースにおいては、払込がどうせできないという見込みで下記のリリースを提出し、時間を稼いでなんらかの操作を行っていた可能性も否定はできません。

以下、TDBのリリース内容より引用

しかし、2007年後半からの不動産市況の急激な冷え込みによって販売が大きく減退。2008年6月期の年売上高は前期比59.1%減の約25億5500 万円にまでダウン、約19億4400万円の最終赤字となり、債務超過に転落した。さらに、8月7日には第三者割当増資による新株および新株予約権発行を発表したものの、払込期日の8月25日に予定していた3社から払い込みがされなかったほか、資金調達が不調に終わったことで、取引先に対する8月末の支払いを9月30日に延期要請したことが表面化するなど信用は大きく失墜。さらに9月30日が法定提出期限となっていた2008年6月期の有価証券報告書の提出が困難となるほか、延期要請していた9月末の決済も困難となり、事業継続を断念した。


TDB
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2790.html

EOL
http://ir.eol.co.jp/EIR/3247?task=download&download_category=tanshin&id=589178&a=b.pdf


オリックス社の資料にいいCFの図面があったので転載(下記春山様blogを参照ください)

for further info: 春山様のblogへ
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17202/2622080#2622080