mabots' blog

知のレバレッジを最大化せよ (旧はてなダイアリーから移転しました。)

サブプライム証券はそれ自体、悪くない。

サブプライム債はそれそのものでは悪ではない、ということがわかりやすく書いてある藤沢様のエントリーを紹介。すこし自分の見解をまとめてみました。

  • クレジットクランチは、有限責任である法人格及び投資法人をみとめたことによって、資産が消滅することが許されているから発生する。資本主義では有限責任を認めないと大きなお金の運用をしたがる人も少なくなってしまう、という心理が働くためこの原則はおそらく今後も不変だろう。
  • サブプライム債の仕組みそのものは、証券化することで高いリスクをもつ人々にお金が貸せなかったものが貸せるようになった(保険と同様)ため、この仕組みは効用としては高い。貸し倒れリスクが高い人でも集合になれば、貸し倒れ率の粒はそろうし、リスクも減る。
  • 問題としては、CDOのシニア債がいろいろミックスされて一見高い格付けの債券にみえていたものが、有限責任の範疇において貸倒してしまった。当然、こういった高い格付のブレンド商品に対しては、社内法規とヘッジコストの観点から、クレジットデリバティブをあてていなかったり、適切なクレジットデリバティブがなかったりする。(毎回ブレンドされているから)

ということでひとつひとつのステップを踏んでいけば、おそらくまっとうなロジックで動いているんですが、監査機能が正常に動作しなかった、というのが理由なのでしょう。きっと仕組みとしては、社外取締役や社外監査役コンプライアンス部やらを社内に設置しても結局不正がおきてしまう、そういった人間のだらしなさが間接的な原因だということだとおもいますし、歴史は繰り返しているだけの話かと思いました。

そんなこんなで、何かと悪玉にされる金融工学ですけど、僕はそうは思いません。

だって、おかげでアメリカにいっぱい新築の綺麗な家が建ったし、日本だって外資の不動産ファンドとか新興ディベロッパーのおかげでたくさん綺麗なビルが建ったじゃん♪
もっともオーナーは変わるかもしれないし、それを建てたファンドやディベロッパーだってもういないかもしれないけどね。

まあ、所詮、貨幣なんてのは幻なんだって。

http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51393442.html


たしかに物は立ちますね。不動産は公益性が高いですし、不動産の物権の性質上、オーナー変われど、社会への効用はしばらく不偏です。(そういった諸行無常を語れる建物にたまらない魅力があったりするんですが。)