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書評 資本主義の次に来る世界

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ベストセラーなの? とりあえず手に取って本だけども。

 

3行サマリ

  • 計画的陳腐化や最近ではインフルエンサーによる需要の形成や常に3%はYoYで成長し続けなければならない空気というか摂理が働いたり、富の蓄積が著しく偏っているのはファクト・示唆として面白い。強制吸気と排気圧タービンで無理矢理出力を上げさせられた航空機エンジンのようだ。さらには思っていたよりも早く地球環境の永続性の前提が壊れてしまう想定も必要だろう。
  • 方や、何度か示されてきた公共サービスの拡充が解決策になるのか?というのは疑問も残る。70年代の英国や共産圏の歴史を鑑みると、完全なシステムではないが今のところはマシなシステムとして資本主義が選択されている。less is more 、その絶対的価値基準を全ての人が持てるほど、あまり人間は完全ではないし一定の世俗性が成長の駆動力になりうる時もあるから。
  • 脳科学の本を見ると右脳と左脳は相互にバランスを取り合っているという。すごく雑にいうと右脳だけだとLSDのような多幸感の世界で左脳だけだと着々と進捗するけど感情を失ってしまった世界...みたいな話である。複雑系として人類を俯瞰して見るならば、自己増殖が存在意義の資本主義とバランスをとるもう片方の脳ってなんだろう? 何かの理想主義? おそらく両方必要で、でも、どちらかが行き過ぎるのはよくないのだろう。