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知のレバレッジを最大化せよ (旧はてなダイアリーから移転しました。)

強いIT企業の競争力ってなんだろう

強いIT企業、競合優位性のあるIT企業ってなんだろう、という質問をうけたので少し考えてみてまとめてみました。IT企業といっても、基本的にビジネスモデルがBtoBtoB、BtoBtoC、BtoC、CtoC等の形態をとっている会社が前提であってSI業やコンサル業については、考慮していません。

技術的な優位性があるケース

  • 他が開発をしたくないような蓄積が必要とか圧倒的に高度な技術をもっている企業
    • たとえばIM(インプットメソッドのほう)とか、日本語解析、高速な全文検索技術、MTA、アンチウィルス等
    • ジャストシステムさんとか、sendmail社、Fast Search & Transfer 社とか
      • ATOKの毎月課金ライセンス形態への移行はほんとにSaaSの概念としても素晴らしいパラダイムシフトだとおもいます。(宣伝ではないですが。)。ソースネクストさんもがんばってください。
  • 知的財産権。まぁこれは古典的ですが。
  • ある企業が、どんなに高度な技術をもった人をもっていても、それを技術的、かつ、排他的優位性にもっていくには、戦略とマネジメントが必要です。
  • うまーくいっている会社では、ほとんど営業が必要なかったりします。またソフトウェア自体はほとんど低価格にしてしまってサポート等で定常的な利潤を稼ぎ出すモデルも存在しますので、声の大きい論者(ライセンス販売とセールススタッフへのインセンティブ強化を主張するような勢力)に対して0ベース思考をぶつけに行けるようなインテリジェントで気合がはいった組織をつくっていく必要があります。

市場やデータの寡占率において優位性があるケース

  • 圧倒的なデータ量と、そのリレーション、トランザクション情報を確保しているサービス提供事業者
    • 今現在ストックとして、データ・リレーション・トランザクションが存在していても、さらにそれらが相互的に自然増加していくフローがうまく設計・実施されていることも条件です。
  • このモデルで買ったとしても他のアプローチをつかって競合にひっくり返されてしまうかもしれないので常に自分たちのビジネネスモデルの再チェックが必要です。それができる組織になってはじめて維持できる、ということでしょうかね
  • このような会社は技術的にも優れている部分もあるかもしれませんが、あなたが技術職で仕事を探しているならば、会社のパワーバランスがどうなっているのかをよく検討した方がいいのかもしれません。

マーケティングで優位性があるケース

  • 他のサービス・プロダクトとコネクティビリティ・シナジーが確実に存在している
    • iTMSとかAppStoreとかそうですよね
  • 著名どころが運営しているサービス。
    • ユーザーがほんとにそれで刺さるかはわかんないけど。
  • ただし上記の2点よりも、根本的に弱いかもしれない。昔(96年くらいかなぁ)はパソコンにいろんなソフトがバンドルされてることが売りだったような気がするけど今はそうじゃないからね。