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書評 私たちはどう学んでいるのか: 創発から見る認知の変化 (ちくまプリマー新書 403)

単に暗記してもあんまり使える知識にならないぞ?というときに振り返ると良い本。

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3行サマリー

  • 認知科学の観点から人間が知識を自分のもとして使えるようにするための手続きを解説。単に丸暗記した英単語ではなかなか英語による会話ができないのが説明できる。
  • 使える知識になるには、前後文脈や周辺の文脈、さらには知覚触覚聴覚などの運動器によるフィードバックと複合的に合わさって創発により使えるようになっていく。人の顔を見て話すことを思い出すなども創発に含まれる。運動器の制御も脳によってされ、かつ、脳の活動が知識の蓄積と他の場所も複合的に反応しながら行われているからである。具体的にいうと、起きてから寝るまで英語を話さないと生きていけない・仕事できない・お近づきになりたい人がいるみたいな環境にぶちこまれると試行錯誤(プラトーやブレイクスルーしながら)で学習し「気づいたら英語使えている」状態みたいなもんである。
  • 創発のメガネを意図的につけたり外したりしながらも物事をみていくことにより、アウフヘーベンを起こしやすくするテクニックが紹介されており、自分としては本書を通じて1番大事なところだと思っている。