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知のレバレッジを最大化せよ (旧はてなダイアリーから移転しました。)

人月単価の矛盾、1日8時間働く人に対して、1日16時間働く人は2倍の能力があるのか

人月単価の矛盾についてつづっているWEBをみて、盛り上がったので、ちょっとまとめてみました。前提ですが、正直な申告がベースとなっている論者ですが、2倍のパフォーマンスで単価があがづらいのであればおそらく工数が実際の稼働の2倍と算出される、ということになるとおもいます。

http://iwatam-server.sakura.ne.jp/software/devintro/index.html

ソフト開発を「人月」で測る限り、徹夜することでその人の能力は向上します。1日8時間働く人に対して、1日16時間働く人は2倍の能力を持っていることになってしまいます。自分の能力を倍増させるには、最先端技術の勉強も何も必要なく、単に倍の時間働けばいいだけです。だから「難しいことを考えないで、とにかく徹夜して仕上げよう」となってしまうのであり、いつまでたっても徹夜が続くのです。

  • ナレッジワーカーなのではないのか
    • 私個人としてはとくにナレッジワーカーにおいては常に同じ品質で仕事をし続ける、ということがなかなか難しいとおもいます。(かっこよくいうとワークアウトプットサイクル(日本語で言うと限界労働生産性曲線ですかね)、とでもいいますか)
  • そもそも人月単価っていうクライテリアって・・・
    • それでも20世紀的な時間ベースでの課金、というクライテリアが横行していることが本質的な問題かと思います。翻って受注者がそのクライテリアでしか判断されないというのはそこまで発注者に対して明確な付加価値を提案できていないということもいえるとおもいます。
  • たくさん時間をかけてしまうSIerは淘汰されるか
    • また、十分にSIを理解したエンドユーザーは総額という概念で価値を評価するとなると「単価 * 時間 * 品質 = 総額」であって、結局エンドユーザーとしては、「総額部分」が最終的な価格面での争点になってくるとおもいます。単に時間だけでなく総額と品質と時間という軸を基準として競争になるとおもいます。(ただ品質・時間が競合おなじであれば淘汰されることは自明です。)

いろいろSIに携わっている人には一言いいたいところではありますがたまに議論してみて面白いテーマであることだけは確かです。