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知のレバレッジを最大化せよ (旧はてなダイアリーから移転しました。)

財務会計をXMLで標準化するXBRLが夏から本格稼動するようです。

IR情報などのBS、PL、CFは、各々の会社で費用計上区分の形式が異なっていました。国際会計基準にのっとれこれらの項目のばらつきを統一的にXMLで規格化(XBRL)・統合してデータをEDINET等から引き出せるようにしてあげるというプロジェクトが2005年ごろから進んでいました。TSEは2008年7月より適時開示制度における決算情報についてついにXBRLを導入していくようです。


TSEのサイト、サンプルデータ(XML)や、ビューアソフト、仕様書は下記からダウンロードできます。
http://www.tse.or.jp/rules/td/xbrl/data/index.html

メリットは

  • 投資家にとっては圧倒的に便利です。いくつかの費用を組み合わせて指標をつくってそれを産業別のセクターごとに分析、なんてことがリアルタイムにできてしまいます。
  • 国際会計基準になかば強制的に移転する大義名分である

企業の内部対策として
TSEへのIR情報の提出は従来HTML、ないし、PDFによってなされていました。これらは、おそらく財務部長がWORDで作成、PDF化、ということをしていたんですが、結局企業の担当者の作業としては下記のような負担が必要になります。

  • いまありものの費用計上区分は、XBRLの要素名でいうとどれなのか国際会計基準に則って調査する必要がある
    • ひょっとしたら項目を統合したり分割したりしないといけないかもしれませんし、特に税金、償却関係は解釈によっては、監査へ法人との意見調整が必要なのではないでしょうか
  • そもそもデータをXMLでつくって納品しないといけない。
    • XMLの要素までは担当者は理解しなくてよいが、社内で使われている費用などと実際のXMLの要素項目の変換ロジックについて社内で統一ルールをつくらないといけない

そんなわけで国際会計基準と、XMLの要素の解釈、というところで、財務部門には相当な負荷がかかりそうです。(単にシステムベンダーにお願いすればOK、というわけではないので・・・)こういうところでもIRコストというのが株式会社にとってかかってくるんですね。